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てぃーだブログ › あきらめないで

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Posted by TI-DA at

中学・高校生の円形脱毛

2010年12月07日

子供の円形脱毛症は、

基礎疾患に「アトピー性皮膚炎」や「喘息」などアレルギー性疾患がある場合が多いですが、

中学・高校生ではアレルギー疾患よりも「貧血」が多いです。



当院では、インターハイ選手などスポーツをしている生徒も多く見受けられました。

スポーツをしている生徒に多いのが「スポーツ貧血」です。


エネルギー産生には「鉄」が必要です。過激な運動によって鉄を消費し、鉄欠乏の状態になっています。

「スポーツ貧血」になってしまうと、食事で補うことは難しく、鉄剤での補充が必要になってきます。



貧血になると、瞬発力も持続力も低下し、運動能力は落ちます。疲労も回復しません。当然、免疫力も低下します。

脳の働きも低下するので集中力も判断力も鈍り、思考能力も低下してきます。向上心や闘争心はしぼんでしまいます。


スポーツ界では、この状態を「貧血」と捉えずに「根性がない」とか「心が弱い」とか精神面につなげてしまうことがあります。

実は、精神面ではなく「鉄欠乏」による症状であったのです。


「鉄欠乏」で免疫力が低下し、円形脱毛症を発症したケースも多くみられ、治療には鉄剤の補給が必要でした。



スポーツ貧血は、ヘモグロビンだけではわかりません。

そもそも、血液検査の基準値の範囲は広いので、男性生徒のヘモグロビン値が女性並みの「13.5」でも正常と判断されてしまいます。

ヘモグロビン値だけではく、ヘマトクリット(密度)、MCV(容積)、フェリチン(貯蔵鉄)など他の検査項目も見る必要があります。


早急な貧血改善には「ヘム鉄」が有効です。  


Posted by ヘアクリニック新垣 at 15:58Comments(0)他の疾患と円形脱毛の関係

多血症患者が円形脱毛症になった時

2010年12月05日

円形脱毛症で受診されても、すでに他の疾患で治療中の場合は、その治療を優先するように案内しています。

基礎疾患があると、円形脱毛症の治療を行っても思うように回復出来ません。



円形脱毛症の中でも特に難渋したのが「真性多血症」です。

多血症とは、赤血球が多く、血液が濃くなってしまう疾患です。赤血球数、赤血球の密度、ヘモグロビンの数値が高くなります。

赤血球だけでなく、白血球数値も高くなることがあります。円形脱毛症の主原因は、免疫細胞の白血球の誤作動ですから、白血球も増加することで円形脱毛症も悪化します。

主な治療法は「瀉血」といって血液を抜き取ります。しかし、これは対処療法であって、赤血球が正常に作られるようになる根本治療ではありません。ですから、定期的に「瀉血」治療を行って血液濃度を薄める必要があるのです。

瀉血で白血球数も減少するから、円形脱毛の治療は上手く行くかというとそうではありません。


多血症では常に赤血球・白血球は増加します。瀉血による減少は一過性です。また、瀉血するたび栄養欠損に陥いり、免疫力が低下することがあります。実は、鉄の数値が必ずしも相関すると言う訳ではないのです。

ヘモグロビンは赤血球に含まれる「鉄」をみる数値です。

「鉄」は免疫の主力成分であり、円形脱毛症の悪化要因の最も主なものは「貧血」だと書きました。

多血症だとヘモグロビンも高いので、鉄も十分にあるから、白血球の数値が高くとも免疫修正は出来るのではないかというとそうではありません。

多血症では、ヘモグロビンは高値でも、貯蔵鉄のフェリチンは低い事があります。フェリチンは、体内の鉄を正確に把握できる検査値です。赤血球の大きさを表す「MCV」も小さくまるで小球性貧血のようになっていることもあります。


つまり、ヘモグロビンは高いのですが、隠れ貧血のような状態で、瀉血すると一時的に「貧血」の症状になってしまうのです。

免疫力は低下し、円形脱毛症は悪化します。


多血症の治療は、これ以上血液がどろどろと濃くならないように、食事や運動なども必要です。アルコールや喫煙も控える事も大切です。
ヘモグロビンが高いと「鉄」の補充は必要無いと思われるかもしれませんが、ヘモグロビン以外の検査項目から「貧血」を読み取る必要があります。  


Posted by ヘアクリニック新垣 at 23:02Comments(0)他の疾患と円形脱毛の関係

脱毛の原因がヘアカラーだとしても

2010年11月30日

円形脱毛症が、髪や頭皮に何らかの処置を行った後に発症した場合、

その因果関係をめぐってトラブルになる場合があります。


特に、美容室でヘアカラーやパーマなどを受けたあとに円形脱毛症を発症した場合や、美容室に限らず、脱毛症が起こる前に使ったシャンプーや育毛剤など、原因を特定するために「毛髪検査」を受けられる方がいます。


皮膚炎などの症状があれば「炎症性皮膚炎による脱毛」と判断でき、治療を行えば発毛します。



しかし、円形脱毛症の場合は、白血球による自己免疫疾患ですから、簡単ではありません。


確かにヘアカラーに含まれる「ジアミン系化合物」は、アレルギーを起こしやすい成分です。

脱色の過酸化水素もアルカリ剤なので、弱酸性の皮膚にとってはダメージです。

アレルギー反応は、免疫力が低下した時に発症しやすいので、今までは何でもなくても、ある日突然アレルギー反応を起こすこともあります。

そのアレルギー反応から円形脱毛症が誘発されてしまうことは多いです。



美容室で施術後に脱毛があった場合、「炎症性」か「円形脱毛」かは毛根検査でわかります。



「円形脱毛症」であった場合、責任の所在を追求するのは難しいです。

何がアレルゲンになるかはわからないし、個体差もあります。

卵や小麦やそば粉や果実など、アレルゲンに成り得るものは巷に溢れています。

それでアレルギー症状を起こす人と起こさない人がいるわけです。



一度「抗体」が出来てしまうと、その成分に対しては今後はアレルギーを起こしやすくなるので危険です。

一般的なヘアカラーは「ジアミン系化合物」が含まれる「酸化染毛剤」です。

円形脱毛症になってしまった場合、以後の染毛料は酸化染毛剤以外のもので行わなければなりません。



「ヘアマニキュア」は、キューティクルの上に染料を載せるだけなので、強い薬剤配合はありません。

一時的な染毛であり、洗髪するごとに落ちていきます。

ヘアカラーよりはアレルギーは起きにくいです。


しかし、何がアレルゲンとなるかはわかりませんので、必ずしも安全と言うわけではありません。



  


Posted by ヘアクリニック新垣 at 15:06Comments(1)毛根検査について

円形なのに別の病気と診断された患者

2010年11月29日

脱毛症が起きたとき、それが円形脱毛症かそうでないかで治療法は異なります。

しかし、脱毛の状態から「円形脱毛症」ではないと診断されてしまう事もあります。

特に脱毛以外の他の症状がある場合です。


円形脱毛症は、皮膚の障害ではなく、皮下にある髪の毛を作る細胞自体が白血球に攻撃される事で起こります。

一般的には皮膚に障害は認められず、自覚症状無しに脱毛します。

ところが、皮膚炎、リンパ腺の炎症、発熱などがあると、円形脱毛ではなく、別の疾患の症状の一つとして脱毛が起きたのだろうと考える事も出来ます。



20代の男性患者は、病院で「性病による脱毛」の可能性が高いと診断され、総合病院への再診を案内されました。

しかし、本人に感染を疑うような記憶がなく、念のため、総合病院と当院との2カ所を受診しました。


実は「梅毒」の症状にも脱毛があります。

脱毛が起こるのは感染後やや進行してからです。脱毛が起こる前に必ず他の症状が起こります。全身の皮膚や口腔の粘膜などに発疹・炎症が起こります。

脱毛は、皮膚炎とともにあちこち虫食いのように「びまん性」に抜け、側頭部に小さな病巣が多発に生じたりします。


では、なぜ20代の男性患者は「性病の疑い」と診断されたのでしょう。

病巣が「びまん性」の虫食い状態のようであったことと、皮膚に多数の炎症が認められたからです。

さらに、脱毛の前に「発熱」があり、体調が悪い事もありました。


当院を受診した時には、「びまん性」からすでに「全頭型脱毛」に移行しつつありました。

その段階で恐らく「急性びまん性全頭型円形脱毛症」だろうと予測できます。

「梅毒」の場合は、皮膚障害による脱毛が主ですから、発症から1ヶ月という短期間に一気に全頭脱毛する事は考えられません。


頭部には確かに炎症が認められましたが、顔にも「ニキビ」があります。しかし、胸部/腹部/背部など全身には認められません。

頭部の炎症は、脂漏性皮膚炎によるものです。梅毒であれば全身に認められるはずです。

問診と血液検査から基礎疾患に喘息があり、アレルギーを見る好酸球・好塩基球の数値も高いことなどから

「円形脱毛症」として治療開始しました。


同じ脱毛症でも「円形脱毛症」と「梅毒」とでは、使用する薬剤がまったく異なります。

円形脱毛症ではステロイド処方が一般的ですが、「梅毒」は抗生剤です。


ほどなく、全頭型脱毛から白髪の産毛発毛が認められました。白髪で回復するのは円形脱毛症の特徴です。


ちなみに総合病院でも「円形脱毛症」と診断されました。  


Posted by ヘアクリニック新垣 at 08:00Comments(0)毛根検査について

生まれながらの円形はありません。

2010年11月27日

円形脱毛症と間違われやすい脱毛に「脂腺母斑」があります。


生まれた時から、または幼少時の頃に発症する母斑です。

少し黄色がかった色調のアザなので、太田母斑よりは目立たないです。


この「脂腺母斑」が頭皮に発症すると、病巣は脱毛してしまいます。

母斑が小さな円形だとまるで円形脱毛症のように見えます。


幼少時の「脂腺母斑」は色調が薄く、皮膚状態も平坦でつるつるしているので脂腺母斑と気付かないこともあります。

当院でも「生まれたときから円形脱毛症です。」と受診された患者がいました。


しかし、皮膚の色・状態・毛穴の有無などが円形脱毛症とは異なるので、専門医だとすぐわかると思います。

「脂腺母斑」は、脂腺が発達する思春期頃から色調が濃くなり、皮膚状態も次第に平ではなく凸凹になるので判断できます。



「脂腺母斑」は外科的治療が必要です。

成長するに従い母斑も大きくなり、頭部にある場合は脱毛範囲も大きくなります。

しかし、最も注意することは、脂腺母斑から腫瘍に変化することがあるという事です。

成人後に脂腺母斑から悪性腫瘍になる確立が高くなるので、幼少時に切除術を行っても良いかと思います。


切除術は形成外科で行います。  


Posted by ヘアクリニック新垣 at 08:00Comments(0)毛根検査について